2020年10月29日 のアーカイブ

死者の霊魂を祭る

2020年10月29日 木曜日

昨日・今日と神道(しんとう)による葬儀「神葬祭」(しんそうさい)のご奉仕がありました。

仏教に比べると馴染(なじ)みのないものかもしれませんが、神葬祭は民俗の固有の信仰に基づくもので、死者の霊魂(れいこん)を神霊(しんれい=みたま)として祭る祭祀(さいし)をいいます。

saisi

平安時代には宮廷(きゅうてい)や神事において、死の穢(けが)れを忌避(きひ)する意識が強くなり、専(もっぱ)ら仏葬(ぶっそう)に頼ってきました。

江戸時代には寺請制度(てらうけせいど)により、神職でさえ許されていませんでしたが、明治に入って願い出により神職による葬儀が認められるようになりました。

しかしながら、『古事記』や『日本書紀』といった古典には、祖霊を敬う様子や死生観について伺い知ることができます。

の本(もと)に生(うま)れ出(いで)にし益人(ますひと)は神より出(い)でて神に入(い)るなり

中西直方