2018年10月26日 のアーカイブ

古代から一貫して変わることなく

2018年10月26日 金曜日

伊勢の神宮には、年間1500に及ぶという恒例のお祭りがありますが、その中でも最も重要とされるのが「神嘗祭」(かんなめさい)であり、6月と12月の月次祭(つきなみさい)とともに、「三節祭」(さんせつさい)と呼ばれています。

今年も去る10月15日から17日にかけて、外宮(げくう:豊受大神宮)と内宮(ないくう:皇大神宮)において、由貴大御饌(ゆきのおおみけ)、奉幣(ほうべい)、御神楽(みかぐら)の儀等が斎行(さいこう)されたとのことです。

そののち25日まで、別宮(べつぐう)・摂社(せっしゃ)・末社(まっしゃ)・所管社(しょかんしゃ)125社全ての社で神嘗祭が斎行されました。

天皇陛下には勅使(ちょくし)を遣(つか)わされ、幣帛(へいはく)を御奉納になる奉幣(ほうべい)が執り行われますが、皇居内水田で御自らお育ての稲穂を神宮に奉(たてまつ)られるとともに、当日朝には皇居内の神嘉殿(しんかでん)において神宮を御遙拝(ごようはい)、賢所(かしこどころ)の内陣(ないじん)において御拝礼ののち御告文(ごこうもん・おつげぶみ)を奏(そう)せられます。

この間、15日には外宮で陸曳(おかび)き、16日には内宮で川曳(かわび)きという「初穂曳」(はつほひき)が盛大に行われ、当県からも毎年参宮団が参加しています。

懸税

懸税

また、比々多神社下の御神田で収穫された新穀は、全国の農家からの奉納と同様に、懸税(かけちから)として正宮(しょうぐう)の内玉垣(うちたまがき)に懸(か)けられます。

米を主食とする日本人が大切にしてきた伝統であり、古代から一貫して変わることのない、天皇と国民が一体となった形で行われるのが神嘗祭です。