2016年8月 のアーカイブ

迎え火

2016年8月13日 土曜日

「盆と正月」といわれる二大行事ですが、当地では月遅れの盆です。

祖霊(それい)をお迎えする御霊祭(みたままつり)、精霊祭(しょうりょうまつり)には、盆棚(ぼんだな)に茄子(なす)や胡瓜(きゅうり)など、季節の野菜を供えます。

庭先では苧殻(おがら)を焚(た)いて迎え火を行いますが、幻想的な炎とともに、近所に上がる煙を見ると気持ちを穏やかにさせてくれます。

迎え火

迎え火

また、忙しなく棚経(たなぎょう)回りをする僧侶の姿を見かけました。

あをあをと盆会の虫のうす翅(ば)かな 蛇笏

夕暮の人しづまりぬ霊まつり 素丸

遺言の酒備へけり玉祭 太祇

社家の当家では、迎え火の前に祖霊祭を執り行いましたが、明日、明後日は祖霊祭で方々を回ることになります。

薄翅蜉蝣 ( うすばけげろう )

薄翅蜉蝣 ( うすばけげろう )

もの悲しさ

2016年8月12日 金曜日

明日から立秋の次候で「寒蝉鳴」(かんせんなく・ひぐらしなく)となります。

朝夕に「カナカナカナ」と鳴くひぐらしの声は、もの悲しさや涼感を感じさせますが、蜩、茅蜩、日暮、秋蝉、晩蝉、日晩、日晩之、日倉足などの字が当てられています。

夕影に来鳴くひぐらしここだくも日ごとに聞けど飽かぬ声かも 『 万葉集 』

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さて、高齢者のお宅に伺い、神棚奉還祭(かみだなほうかんさい)のご奉仕をしました。

住宅環境の諸事情により、老夫婦での生活が困難となったことから、長年住み慣れた住宅を手放すことになったためです。

これまでの感謝の思いと、ご主人のもの悲しそうな表情を斟酌(しんしゃく)しながら、祝詞(のりと)を奏上(そうじょう)しました。

潤いに感謝

2016年8月11日 木曜日

今日は平成26年に制定され初めて施行された祝日「山の日」(山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する)です。

夏休みの最中とあって、子供たちには歓迎されにくいものの、お盆休みと合わせた里帰り帰省や海外旅行に出掛ける人たちの出国ラッシュとなっているようです。

放映時間の関係で寝不足の向きも多いと思われますが、リオ五輪では柔道、体操、水泳など、日本人選手の目覚ましい活躍で嬉しいメダルラッシュとなっています。

雉鳩の雛

雉鳩 ( きじばと )の雛( ひな )

さて、昨夕の豪雨により、境内の砂利や土が流れましたが、大きな被害もなく樹木には潤いがもたらされたようです。

今晩は三ノ宮・木津根橋の産土講(うぶすなこう)役員会が開かれ、「第67回産土講祭」が9月16日(金)に執り行われることになりました。

梨や葡萄(ぶどう)を栽培する果樹農家では、収穫の最盛期を迎えていますが、生産者にとっては潤いに対する感謝の季節です。

草刈り作業

2016年8月10日 水曜日

今日も暑さの厳しい一日となりました。

境内の木々も水を欲して、水撒きが日課となっています。

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さて、今朝は総代さんのご奉仕により、境内周辺の草刈り作業が行われ、とても清々しく綺麗になりました。

また、3年に一度行われている神池の清掃作業が24日に予定されています。

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天皇陛下お言葉

2016年8月9日 火曜日

天皇陛下のお言葉は「勅語」(ちょくご)、「詔・勅」(みことのり)といいますが、東日本大震災の被災者や国民に広く発せられたお見舞い(平成23年3月16日)に続く2度目のビデオメッセージで、「象徴としてのお務めについて」天皇陛下がお気持ちを表明されました。

この度の玉音放送は、非常に複雑な心境ですが、御心情を忖度(そんたく)すれば、譲位(じょうい:報道では「生前退位」と表現)に向けた検討が今後なされることになりそうです。

皇室の御存在や国の有り様を考える機会とも捉えられ、ここにお言葉全文を示させて頂きます。

『皇室』 平成28年夏71号

『皇室』 平成28年夏71号

戦後70年という大きな節目を過ぎ、2年後には、平成30年を迎えます。

私も80を越え、体力の面などから様々な制約を覚えることもあり、ここ数年、天皇としての自らの歩みを振り返るとともに、この先の自分の在り方や務めにつき、思いを致すようになりました。

本日は、社会の高齢化が進む中、天皇もまた高齢となった場合、どのような在り方が望ましいか、天皇という立場上、現行の皇室制度に具体的に触れることは控えながら、私が個人として、これまでに考えて来たことを話したいと思います。

即位以来、私は国事行為を行うと共に、日本国憲法下で象徴と位置づけられた天皇の望ましい在り方を、日々模索しつつ過ごして来ました。伝統の継承者として、これを守り続ける責任に深く思いを致し、更に日々新たになる日本と世界の中にあって、日本の皇室が、いかに伝統を現代に生かし、いきいきとして社会に内在し、人々の期待に応えていくかを考えつつ、今日に至っています。

そのような中、何年か前のことになりますが、2度の外科手術を受け、加えて高齢による体力の低下を覚えるようになった頃から、これから先、従来のように重い務めを果たすことが困難になった場合、どのように身を処していくことが、国にとり、国民にとり、また、私のあとを歩む皇室にとり良いことであるかにつき、考えるようになりました。既に80を越え、幸いに健康であるとは申せ、次第に進む身体の衰えを考慮する時、これまでのように、全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています。

私が天皇の位についてから、ほぼ28年、この間私は、我が国における多くの喜びの時、また悲しみの時を、人々と共に過ごして来ました。私はこれまで天皇の務めとして、何よりもまず国民の安寧と幸せを祈ることを大切に考えて来ましたが、同時に事にあたっては、時として人々の傍らに立ち、その声に耳を傾け、思いに寄り添うことも大切なことと考えて来ました。天皇が象徴であると共に、国民統合の象徴としての役割を果たすためには、天皇が国民に、天皇という象徴の立場への理解を求めると共に、天皇もまた、自らのありように深く心し、国民に対する理解を深め、常に国民と共にある自覚を自らの内に育てる必要を感じて来ました。こうした意味において、日本の各地、とりわけ遠隔の地や島々への旅も、私は天皇の象徴的行為として、大切なものと感じて来ました。皇太子の時代も含め、これまで私が皇后と共に行ってきたほぼ全国に及ぶ旅は、国内のどこにおいても、その地域を愛し、その共同体を地道に支える市井の人々のあることを私に認識させ、私がこの認識をもって、天皇として大切な、国民を思い、国民のために祈るという務めを、人々への深い信頼と敬愛をもってなし得たことは、幸せなことでした。

天皇の高齢化に伴う対処の仕方が、国事行為や、その象徴としての行為を限りなく縮小していくことには、無理があろうと思われます。また、天皇が未成年であったり、重病などによりその機能を果たし得なくなった場合には、天皇の行為を代行する摂政を置くことも考えられます。しかし、この場合も、天皇が十分にその立場に求められる務めを果たせぬまま、生涯の終わりに至るまで天皇であり続けることに変わりはありません。

天皇が健康を損ない、深刻な状態に立ち至った場合、これまでにも見られたように、社会が停滞し、国民の暮らしにも様々な影響が及ぶことが懸念されます。更にこれまでの皇室のしきたりとして、天皇の終焉に当たっては、重い殯の行事が連日ほぼ2ヶ月にわたって続き、その後喪儀に関連する行事が、1年間続きます。その様々な行事と、新時代に関わる諸行事が同時に進行することから、行事に関わる人々、とりわけ残される家族は、非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません。こうした事態を避けることは出来ないものだろうかとの思いが、胸に去来することもあります。

始めにも述べましたように、憲法の下、天皇は国政に関する機能を有しません。そうした中で、このたび我が国の長い歴史を改めて振り返りつつ、これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり、相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう、そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ、ここに私の気持ちをお話しいたしました。国民の理解を得られることを、切に願っています。

玉虫

2016年8月8日 月曜日

台風5号接近による影響でしょうか。

午前中は強い風が吹き、地鎮祭の最中には僅かな時間ながら、雨に降られました。

しかしながら、「雨降って地固まる」「お清めの雨」「八月八日で末広がり」など、良きこと、目出度き言の葉を添えてお祝い申し上げました。

玉虫

玉虫

さて、境内では蝉(せみ)を筆頭に、兜虫(かぶとむし)や鍬形虫(くわがたむし)など夏の虫の全盛期ですが、今日は緑色に輝く玉虫(たまむし)を見つけました。

昔は「箪笥に入れておくと着物が増える」といわれ珍重(ちんちょう)されたものです。

「玉」は美しいもの、大切なもの、ほめていう意を表す語で、美しい入江は「玉江」、美しい衣服は「玉衣」(たまぎぬ)、「玉の緒」(たまのお)は「魂の緒」の意で、いのち・生命のことです。

また、神社では「玉串」(たまぐし)、「玉垣」(たまがき)、「勾玉」(まがたま)などがありますが、「魂・霊」(たま)と同源とも考えられます。

和名の玉虫について考えているうちに、何処かへ飛んで行ってしまいました。

献酒でお祝い

2016年8月7日 日曜日

昨晩は比々地区内では6カ所で納涼大会(盆踊り)が開催され、所管社の木下神社(伊勢原市神戸)、雷電神社(伊勢原市串橋)、神明神社(伊勢原市笠窪)境内で実施されました。

また、当社駐車場では三ノ宮地区納涼祭が賑やかに行われました。

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今日は二十四節気の「立秋」を迎え、初候は「涼風至」(すずかぜいたる)ですが、境内は日差しの強い一日でした。

蝉時雨の響き亘る中、午前中には神前結婚式を執り行いました。

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三三九度(さんさんくど)固めの盃(さかづき)と親族固めの盃には、ご自身でお持ちになった献酒を用い、真心のこもった祝言(しゅうげん)となりました。

比々多の大神さまには、夫婦の和合と子孫繁栄を祈り上げました。

インターンシップ

2016年8月4日 木曜日

市外の県立高校からインターンシップの受け入れ依頼があり、夏期休業期間を利用して昨日から女子生徒が神社に来ています。

中学校の職場体験学習は毎年受け入れていますが、高校生は今年が初めてとなります。

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初日は正式参拝をして、その後様々な作法や心得の説明、ご祈祷の対応や授与品の準備など、慣れない作業ながら一生懸命に取り組んでいる様子が印象的でした。

また、本日は清掃奉仕から始まり、神さまにお供えする神饌(しんせん)の買い出し、ご祈祷の撤下品(てっかひん)準備、御神札授与所(おふだじゅよしょ)の応対などを経験してもらいました。

職種や職場によって勤労に対する考え方に違いがあると思いますが、社会に出る前の貴重な機会になったと思われます。

若い人たちはコミュニケーション能力が不足しているともいわれますが、将来を見据えて真面目に従事する姿勢に、希望と期待が膨らみました。

御神水によるお清め

2016年8月4日 木曜日

間もなくリオ五輪が開幕となりますが、当地出身の塩浦慎理選手が競泳の400メートルフリーリレー、100メートル自由形、50メートル自由形、400メートルメドレーリレに出場予定です。

お母さんとともに参拝されましたが、ご活躍と無事を祈るばかりです。

新車清祓

車のお清め

3月決算、9月中間決算に続いて、6・7月のボーナス商戦時期は車の値引きが大きいようです。

新車の購入に伴い、7・8月は車のお祓いでお越しになる方がいらっしゃいます。

当社では殿内における交通安全祈願祭の後、車祓所において清祓を執り行います。

また、祈願主の方には自らの手で御神水によるお清めを行って頂きます。

有職故実

2016年8月3日 水曜日

夏らしい暑さとともに、発達した積乱雲が青空に浮かんでいます。

不安定な大気状態から突然の雷雨やゲリラ豪雨、また竜巻などの突風には十分な注意が必要となっています。

神奈川県下には食中毒警報も発令されていますので、この時期の食品衛生は大切です。

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さて、県神社庁から「神まつりを支える人々~責任役員・氏子総代の心得」が届きました。

総代さんを交えた会議や準備のやり取りでは、祭具や調度品などについて、なるべく固有の名称を用いることで〝有職故実〟(ゆうそくこじつ)の大切さをお伝えしています。

当社では祭儀の準備は神職が主に携わっていますが、兼務社(所管22社)では総代さんによるところが大きく、諸祭儀に関わって頂くことで脈々と守ってきた伝統を肌で感じて頂いているのではないでしょうか。