関東では6年ぶりの積雪となりました。
伊勢原では年明け以降、何度かみぞれは降ったものの、初雪となり久しぶりの積雪となりました。
雪のいと高うはあらで、うすらかに降りたるなどは、いとこそをかしけれ
(雪がそれほど高くはなくて、うっすらと降っているのなどは、たいそう趣がある。)
『枕草子』
古くはその年の農作物の豊凶(ほうきょう)を、山にかかる雪で占いました。雪は稲の花にもたとえられ、「豊年の瑞」(しるし)といわれます。
六花(むつのはな)・雪の花・雪華(せっか)・牡丹雪(ぼたんゆき)・小米雪(こごめゆき)・粉雪(こなゆき)・綿雪(わたゆき)・小雪・大雪・深雪(みゆき)・吹雪(ふぶき)・雪明り・根雪(ねゆき)・新雪(しんせつ)・しまり雪・べと雪・雪紐(ゆきひも)・筒雪(つつゆき)・水雪・細雪(ささめゆき)・餅雪・堅雪(かたゆき)・・・・、などその表現法は多種にわたります。
梅の花 それとも見えず 久方(ひさかた)の 天霧(あまぎ)る雪の なべて降れれば
(梅の花がそこにあると区別がつかないよ、空一面に真っ白い雪が降っているから。)
『古今和歌集』 よみびとしらず
新(あらた)しき 年の始めの 初春の 今日降る雪の いや重(し)け吉事(よごと)
(新しい年の始めの、新春の今日降る雪のように、いよいよ重なれ、良いことが。)
『万葉集』 大伴家持(おおとものやかもち)
この雪が、良きことの予兆(よちょう)となるよう願うばかりです。