相模国三ノ宮・比々多神社

辰に因んで

来年の干支(えと)は壬辰(みずのえたつ)。

干支の干は「幹」の意です。通常、干支(十干十二支)は「えと」といいますが、十干の兄弟(えと)に由来しています。「え」は兄で陽性、「と」は弟で陰性を表します。

十干は、甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)です。

戦前の学校では、甲・乙・丙で成績が示されました。また、焼酎の分類にも甲類・乙類などが使われています。

この十干と十二支の組み合わせが、甲子(きのえね)から癸亥(みずのとい)まで60通りとなり、60年で1回巡ってくる還暦(かんれき)で、本卦還(ほんけがえ)りともいわれます。

さて、今年も木津根橋(三ノ宮)の杉山土建さんが干支の石造を奉納されました。来年の巳で十二支全ての石造が揃います。タウンニュース社の取材もありました。

宮司と杉山社長さん

宮司と杉山社長さん

辰に割り振られた動物は「竜」で、十二支では唯一伝説上の生物になります。

古墳などに見られる四神(しじん)の一つに青竜がありますが、東に位置します。

単竜環把頭(市重文)

単竜環頭大刀柄頭(市重文)

併設の郷土博物館には、栗原古墳から発見された飾り金具を付した大刀の柄(つか)部分を飾る「環頭大刀柄頭」(かんとうたちつかがしら)が収蔵展示されています。

瑞雲が透かし彫りになった竜ですが、6世紀後半頃のものと考えられる貴重な郷土の財産です。

御本殿梁の彫刻

当社本殿の彫刻

竜の旧字体は龍ですが、甲骨文字には竜が用いられ、その古さがわかります。

古代中国では竜は帝王の象徴とされ、インドでは竜神を仏法の守護神とし、日本でも竜神信仰があります。

雨や水を司るとの信仰や蛇神信仰との結びつきなど、民間の伝承には事欠かない存在です。

手水舎の竜の口

手水舎の竜の口

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