相模国三ノ宮・比々多神社

生命の尊さ

昨晩、本日と神葬祭(神道のお葬式)のご奉仕がありました。

最近は、家族葬向けに小さく設えた斎場もあります。当然のことながら、大きなものも小さなものも同様に心を込めておつとめをいたします。

御霊安かれ

御霊安かれ

祖先のまつりは、「御霊(みたま)まつり」というように、御霊に対しておまつりが行われます。

しかしながら、亡くなった直後に行う神葬祭ではおまつりの対象が2つあります。1つは遺体に対するもので、通夜の儀にあたる「通夜祭」(つやさい)、告別式にあたる「葬場祭」(そうじょうさい)、そして火葬の儀の「火葬祭」などです。

reiji

一方で、2つめは御霊に対するものです。遺体から霊璽(れいじ:仏教の位牌に相当)に御霊を遷(うつ)す「遷霊祭」(せんれいさい)、葬儀が無事済んで家に戻ったことを告げる「帰家祭」(きかさい)、そして「十日祭」や「五十日祭」などです。

実際の葬儀では、悲しみとともに気持ちの動揺や感情の高ぶり、葬儀を迎えるまでの疲労の蓄積、また会葬者への配慮などで、1つずつの儀式について考える機会もないと思います。

日本人は古くから、四季や人生の節目を大切にしてきました。初宮や七五三、成人式などの人生儀礼(通過儀礼)は、両親はもとより、遠くご先祖さんに連なる生命の尊さを確認する機会です。人生最後の重儀として、葬儀は行われるべきものであり、その延長に祖先まつりもつながっています。

先祖の魂は子孫に伝はる我が身生れてあるは、即ち是れ、先祖の身分れたる故也

林羅山・神道伝授

コメントをどうぞ