６月３０日に斎行（さいこう）する恒例行事「夏越大祓」（なごしのおおはらえ）に向けて、茅の輪（ちのわ）づくりを行いました。
茅（かや）
国府祭（５月５日）の折には、粽（ちまき）づくりの茅が生育不足でしたが、今回は青々とした背の高い茅（かや）を沢山採ることができました。
遠い神代（かみよ）の昔、スサノヲノミコトが旅の途中で蘇民将来（そみんしょうらい）・巨旦将来（こたんしょうらい）という兄弟に一宿を求めたところ、裕福な弟の巨旦はこれを断り、兄の蘇民は貧しいながらも手厚くもてなしました。スサノヲノミコトは御礼に悪疫退散の「茅の輪」の作り方を蘇民に教え、それを腰に付けました。すると、蘇民一家はその年流行した疫病から逃れることができました。『備後国風土記』（びんごのくにふどき）
比々多神社では、この故事にちなみ、罪・穢れ（つみ・けがれ）や厄災を祓い、生命力を強める行事として、毎年６月３０日の大祓に「茅の輪くぐり」を行っています。
水無月の 夏越の祓する人は千歳の命 延ぶといふなり
昔より 命のぶてふためしとて 夏越の祓 せぬ人ぞなき
母のぶん もひとつくぐる 茅の輪かな
