初午祭のご奉仕をした工場で、お稲荷さんの建て替えを検討しているとのことで、大工さんと一緒に伺いました。
流造りの銅を葺(ふ)いた屋根はしっかりしていますが、大谷石(おおやいし)の土台に傷みが生じ、お社の接地面が長年の雨水などで腐食があり、鳥居も足下から朽ちかけていました。
材質は檜(ひのき)で、柱上には軒の荷重を支えるための枡組(ますぐみ)が施されています。枡組は斗栱(ときょう)、組物(くみもの)とも呼ばれ、斗(ます)と肘木(ひじき)を組み合わせて構成します。同じく、荷重を支えるための部材で、蟇股(かえるまた)といわれる装飾があります。また、柱の上部をつなぐ頭貫(かしらぬき)の端には、木鼻(きばな)という彫刻があり、手の込んだ繊細な造りです。
お稲荷さんのご神威(しんい)を益々発揚するような立派なお社が造られるよう期待いたします。