相模国三ノ宮・比々多神社

酒造神を称える

霜月の今日の佳日(よきひ)、当社に斎(いつ)きまつる酒造神(しゅぞうしん)を称(たた)える「酒祭」(さかまつり)を斎行(さいこう)しました。

今日までに何度となく、神社総代による沢山(さわやま)の祭典準備が進められてきましたが、早旦(そうたん)お水取り神事の段取りが行われました。

IMG_0394

酒業関係者が参集し、御山(おやま)へと上がり、三段の滝で水神祭を執り行いました。

湧き出る真清水(ましみず)を汲(く)み上げ、伝世(でんせい)の寳器(ほうき)「うずらみか」(県指定重要文化財)に御神水(ごしんすい)を注いで、新酒の醸造安全、酒類業の繁栄、酒を好み嗜(たしな)む人の安寧(あんねい)を祈り上げました。

IMG_5988

古代、米を噛(か)みくだいて造った酒を噛酒(かみさけ・醸酒)といいましたが、江戸時代後期の国学者・伴信友(ばんのぶとも)は、『神名帳考証土代』(じんみょうちょうこうしょうどだい)に〝相模は酒醸(さかがみ)なるべし〟と記しています。

IMG_0426

今年も変わることなく、神実(かむざね=うずらみか)のお出ましによる、いわゆる〝御生〟(みあれ・御阿礼)の神儀(しんぎ)を無事にお仕えし、安堵と平安の気持ちです。

コメントをどうぞ