相模国三ノ宮・比々多神社

神代の風儀をうつす

第37回神社本庁神道教学研究大会が「大嘗祭と天皇の祭祀」という主題のもと、神社本庁において開催されました。

去る7月26日、皇居東御苑(こうきょひがしぎょえん)において、大嘗宮(だいじょうきゅう)の地鎮祭(じちんさい)が執り行われた様子を報道で御覧の方も多いと思います。

来る11月14日・15日には、「大嘗祭」(だいじょうさい)が執り行われます。

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講師の岡田荘司氏は、「大嘗祭は天武(てんむ)・持統(じとう)朝に成立したもので、壬申の乱(じんしんのらん)という国家を二分する争乱のあと、人心の安定と国家の安寧が祈られた」と述べられました。

また、同氏は即位礼(そくいれい:今回は令和元年10月22日)の儀式が「漢朝の礼儀」の影響を受けた形式であり、明治以降は和様(わよう)に改められたのに対し、大嘗祭は〝 神代の風儀をうつす 〟と、室町後期の公家(くげ)で、博学多才(はくがくたさい)で知られた一条兼良(いちじょうかねよし・かねら)の言葉を引きました。

大嘗宮には、悠紀殿(ゆきでん)、主基殿(すきでん)、廻立殿(かいりゅうでん)等の主要建造物が造営(ぞうえい)されますが、木材を剥(は)かない黒木造りの柱に、床は竹の簀の子(すのこ)に畳表(たたみおもて)を敷いた全く簡素(かんそ)な建築です。

5月13日に皇居内、宮中三殿(きゅうちゅうさんでん)の神殿前で「斎田点定の儀」(さいでんてんていのぎ)が行われ、悠紀地方は栃木、主基地方は京都に決まり、両斎田では稲穂が黄金色に変わりつつある頃だと思われます。

心身を清めた清浄の中で、皇祖天照大御神(こうそあまてらすおおみかみ)と神々に、東日本と西日本の中から選ばれた斎田の新穀が供饌(きょうせん)され、国家国民の安寧と幸せが祈念されます。

神社本庁発行『御代替り』より

神社本庁発行『御代替り』より

即位後初めての新嘗祭(しんじょうさい・にいなめさい)にして、年毎の新嘗とは異なる〝 天皇御一代一度の大儀 〟であります。

当社でも「大嘗祭当日奉祝祭」(大祭)として、関係者参列のもと斎行(さいこう)する予定です。

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