相模国三ノ宮・比々多神社

三輪玉と酒造神

この度、三之宮郷土博物館収蔵の「三輪玉」(みわだま)と「首飾り」(2連)を県外へ貸し出すことになりました。

毎年無料公開をしている「第32回まが玉祭」(5月18日・19日)では御覧になれませんが、島根県立古代出雲歴史博物館で開催される企画展「古墳時代の珠玉-玉は語る出雲の煌めき」(平成31年4月26日~6月17日)に出展することになっています。

三輪玉

三輪玉

当社には、天明玉命(あめのあかるたまのみこと)という玉造りの神さまがお祀(まつ)りされていますが、周辺では玉造りの工房趾が見つかり、玉類も多く出土しています。

IMG_7416

三輪玉は我が国最古の神社ともいわれる大神神社(奈良県桜井市三輪)の祭祀遺跡から多数発見されたことからこの名があるとされますが、三輪の枕詞(まくらことば)は「味酒」(うまさけ)で、御祭神の大物主神(おおものぬしのかみ)は酒の神として昔から崇められています。

味酒(うまさけ)三輪の山あをによし奈良の山の山際(ま)に隠るまで道の隈(くま)い積もるまでにつばらにも見つつ行かむをしばしばも見放けむ山を情(こころ)なく雲の隠さふべしや

『万葉集』額田王(ぬかたのおおきみ)

伴信友(ばんのぶとも:江戸後期の国学者)は『神名帳考証土代』(文化10年)の中で、「相模は酒醸(さかがみ)なるべし」と記し、当社に祀られる玉造神(天明玉命)と酒神(大酒解神・小酒解神)との関係も非常に興味深いところです。

コメントをどうぞ