相模国三ノ宮・比々多神社

土用の丑

今日は土用(どよう)の丑(うし)の日でしたが、夏負けを防ぎ、食欲減退防止に鰻(うなぎ)を食した方も多かったのではないでしょうか。

今年は二の丑(にのうし)もあり、次の土用の丑の日は8月6日(日)となります。

痩せたる人を咲(わら)へる歌

石麻呂(いはまろ)に吾物申す夏痩せに良しといふものぞ鰻(むなぎ)取り食(め)

『万葉集』大伴家持

気温は鰻登りというよりは、最低気温が摂氏25度以上の熱帯夜(ねったいや)のまま、気温変化があまりない最低気温の高い一日となり、湿気の多い蒸し暑さが不快感を増したようです。

あさがお

さて、土用は「土旺用事」「土王用事」といって、土の気が旺(さかん)になる意で、土は物を変化させる作用があることから、「土を犯し殺生(せっしょう)を忌(い)む」として、葬儀や土を動かす造作が凶とされてきました。

「土用波」(どようなみ:南方に台風が生じて寄せる波)「土用干し」(どようぼし:かびや虫害を防ぐために、衣服や書物などを干すこと)「土用休み」(夏休み・芝居興行の休業)「土用芽」(どようめ:植物の芽)といった言葉がありますが、この時期を表したものです。

また、鰻の他に精のつくものとして、「土用蜆」(どようしじみ)「土用餅」(どようもち)「土用卵」(どようたまご)などがあるようです。

コメント / トラックバック2件

  1. 鈴木治美 より:

    万葉人も鰻を食したのですか?  わたしは 鰻というと新見南吉作 ごんぎつね という童話を思い出します  母親がいなくなって一人ぼっちの兵十?だったかに 鰻や栗を届けてあげる ごんぎつねのお話が好きです  結末は悲しいのですが

  2. 禰宜 より:

    鈴木治美 様

    鰻を「むなぎ」と呼んでいたようですが、鰻が今の鰻かどうか想像を掻き立てます。
    家持が痩せた人を笑って詠んだ歌ということなので、本当に食したものか考えるのも面白いものです。
    「ごんぎつね」は4年生の教科書に教材として今でも取り上げられていますね。

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