相模国三ノ宮・比々多神社

棚機

今日は五節句の一「七夕」。

棚機(たなばた)とも書き、「たなばたつめ」の略です。

鷲座(わしざ)のアルタイル、すなわち牽牛星(けんぎゅうせい)、彦星(ひこぼし)、犬飼星(いぬかいぼし)、男星(おぼし)、男七夕(おたなばた)などといわれる星と、琴座(ことざ)のヴェガ、すなわち織姫星(おりひめぼし・しょくじょせい)、妻星(つまぼし)、女星(めぼし)、機織姫(はたおりひめ)、棚機姫(たなばたひめ)、女七夕(めたなばた)が天の川を隔てて接近する年に一度の逢瀬(おうせ)は「星の契」(ちぎり)「星の妹背」(いもせ)「星の恋」などにも喩えられ、様々な伝説もあります。

牽牛(ひこぼし)の嬬(つま)迎へ船榜(こ)ぎ出(づ)らし天の河の霧の立てるは 『万葉集』山上憶良

hikobosiorihime

短冊に詩歌や様々な願いを託した人も多かったことでしょう。

当社の御祭神の一柱には、機織りの神さまである稚日女尊(わかひるめのみこと)がお祀りされています。

現代社会の風に合わせた願い事が多いと思いますが、古歌や古詩の思いを今日は願ってみてはいかがでしょうか。

コメント / トラックバック2件

  1. 鈴木治美 より:

    憶良のこの一首を初めて知りました

    万葉人も 天の川を見て 無病息災を祈ったのでしょうか

    恐ろしい水害をもたらす天も また 優しい天で人びとを見守って欲しいです

  2. 禰宜 より:

    鈴木治美 様

    憶良の七夕を詠んだ歌は万葉集に多いようですね。
    万葉の昔も今も天災への畏れは変わりませんが、人の心も変わらずにいたいものです。

    ありがとうございます。

    禰宜 永井武義

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