相模国三ノ宮・比々多神社

木の子

今日は秋分に最も近い戊(つちのえ)で「社日」(しゃにち)です。秋の社日を秋社(あきしゃ)といいます。

昨日は社殿を構えない地神社(秦野市鶴巻南)の例祭でしたが、雨の影響もあり、同じく兼務する落幡神社(秦野鶴巻南)の殿内において遙拝式(ようはいしき)を執り行い、御祭神である土の神・埴安姫(はにやすひめ)に収穫感謝の祈りを捧げました。

地神社の大榎

地神社の大欅 ( おおけやき )

雨続きの2週間余り、社務日誌をめくってみても晴れの日がほとんど無く、御天道様(おてんとうさま)が恋しい日々です。

稲刈りを目前にした農家も多く、さすがに深刻な問題となっています。

神社でも至る所が湿気に覆われ、参道の石畳や御神木の樹皮は苔(こけ)むしています。

相生の欅

相生の欅 ( あいおいのけやき )

境内の樹木の下に視線を落とすと、キシメジ科?と思える茸(きのこ・菌)が群生していました。

茸類を古名で〝 くさびら 〟といいますが、『和名抄』(わみょうしょう:倭名類聚鈔(わみょうるいじゅしょう)の略)には、「笠のないものを茸、笠あるものを菌」というとあります。

東日本では「キノコ」(木の子)、北陸では「コケ」(ふけ・雲脂)、関西では「タケ」(茸)、九州では「ナバ」(ねばねばしたもの)という言い方も面白いものです。

霧雨や白き木子の名は知らず 乙二

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夏には多くの虫が見られましたが、その死骸を分解するのは菌類の役割です。

それが土の栄養となり、植物が育つわけです。

〝 木の子 〟として木から養分ももらうだけでなく、見えない地中の菌糸(きんし)が菌根(きんこん)として養分の相互補給を行い、共生が成り立っているようです。

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