相模国三ノ宮・比々多神社

蝉の鳴き声

昨日は海の日、九州から東海まで一斉に梅雨明けとなりましたが、当地は少し先のようです。

境内では桜の木を中心に「チー(ジー)」と低く鳴くニイニイゼミが増え始め、丁寧に見て回ると、木の根元に土を被(かぶ)った小さな抜け殻を目にします。

空蝉(うつせみ)のからは木ごとにとどむれどたまのゆくへを見ぬぞかなしき 『古今和歌集』 よみ人知らず

また、夕暮れには、「カナカナ」と涼しげに鳴く蜩(ヒグラシ)の初鳴きを耳にしました。

鳴く蝉の声もすずしき夕暮に秋をかけたる杜(もり)の下露(したつゆ) 『新古今和歌集』 二条院讃岐

ほおづき

例年ですと次は「シャーシャー」の大きな熊蝉(くまぜみ)、そして囂(かしま)しい強い声「ジージー」の油蝉(アブラゼミ)、高い声のミンミン蝉の出番があり、和歌や俳諧(はいかい)では秋となる寒蝉(かんせん・かんぜみ)のツクツクボウシに至るまで、鳴き騒ぐ賑やかな季節の到来です。

撞鐘(つきがね)も響くやうなり蝉の声 芭蕉

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