相模国三ノ宮・比々多神社

獺魚を祭る

昨日は二十四節気の「雨水」(うすい)でしたが、朝は冷え込んだものの日中は気温が上がり、3月下旬から4月上旬並みの暖かさとなりました。

河津桜

土手の河津桜

二十四節気の一気を3等分して、1年を5日ごとに分けた「七十二候」(しちじゅうにこう)では、正月中雨水の初候(2月19日~23日頃)は、「獺魚を祭る」(たつうおをまつる)にあたります。(『現代こよみ読み解き事典』)

獺(「たつ」は漢音=かわうそ)が捕らえた魚を岸などに並べて食べる時節にあたるということです。

山口県岩国市周東町獺越(しゅうとうまち おそごえ)の蔵元で醸造している「獺祭」(だっさい)とうい人気の高い日本酒を御存知の方も多いでしょう。

獺(かわうそ)は捕った魚をすぐに食べずに、岸や岩などに並べておく習性があり、その姿が人が供え物をして先祖を祭るのに似ていることから「魚を祭る」(『礼記』)といいます。

俳人・歌人である正岡子規(1867-1902)は多くの雅号(がごう)をもちますが、上記の習性からから〝 本をあたりに散らかす様相 〟を号して「獺祭書屋主人」(だっさいしょおくしゅじん)といい、子規の命日(9月19日)は「獺祭忌」(だっさいき)と呼ばれます。

神の火や薄紅梅の夕まぐれ

烏帽子着て万歳走る余寒哉

鶯や我がかげうつす手水鉢

子規

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