昨日、本日と神葬祭(しんそうさい)のご奉仕がありました。
日の本(もと)に生まれ出(いで)にし益人(ますひと)は神より出(いで)て神に入(い)るなり
これは江戸時代の神道家・中西直方の歌で、神道の生死観がよく表されています。祖先から頂いた命は、やがて神の御許(みもと)へ帰ってゆくということです。
神葬祭では、故人の生い立ちを含め、生前の徳を称(たた)えて「誄詞」(るいし=しのびごと)を奏上します。
「天業(天職)に励む」「天命を尽くす」「天寿を全うする」という言葉は、日本人の人生観を表しているともいえます。
神から授かった天命を日常の努力により、死後を安心へと導くことはとても大切な生き方だと思われます。
それ神道と云は、人々日用の間にありて、一事として神道にあらずと云事なし 度会延佳 『 陽復記 』
祭祀(さいし)は神道の中心をなすものですが、神の道は特殊な道でなく、毎日の行為が神の御心に叶っているかどうかを反省し、精進すべきであることが、この一節にこめられています。