生まれるときに安産祈願をし、生まれて初宮参り、子供の成長の節目として七五三、成人式、そして結婚式、厄年祓、長寿の祝いと折々に子供の成長や家族の無事を祈るのは、人生のまつり、人生儀礼といわれます。
これらは〝 吉祭 〟であり、「清く明るく直く正しく」という日本人の生き方ともいえます。
日月は四州(よも)を廻り、六合(くに)を照らすと雖(いえど)も、
須(すべか)らく正直の頂きを照らすべし
『 倭姫命世記 』 正直の頭(こうべ)に神宿る
日本では、仏教の信仰は仏・法・僧に対するものではなく、大半は先祖の位牌(いはい)に対して重点が置かれています。これは祖先を敬い、祖先を偲ぶという我が民族固有の信仰「祖霊信仰」が長い間浸透していることがわかります。
祖霊祭祀(それいさいし)は、元来神道信仰の根本であり、祖父母から親、親から子、子から孫へと連綿と受け継がれてきたものです。
人の死は〝 凶祭 〟であり、不吉・不幸ながら、祓(はら)いやまつりにより、清浄、正善(せいぜん)へと導き、悲しみを吉化していくのが重要です。
本日は神葬祭の奉仕があり、遺族とともに悲しみに寄り添いながら、粛々とした一連のまつりを通して、正善へと整えていきました。