相模国三ノ宮・比々多神社

葬儀の色目「忌色」

昨日、比々多神社菊華会の方がボサ菊を搬入してくれました。

毎年境内で菊華展を開催いたしますが、菊小屋準備は29日(月)の予定です。

その後、丹精込めて育てられた菊の展示を行いますので、どうぞ楽しみにしていてください。七五三の写真撮影にも最高です。 (^^)

ボサ菊

ボサ菊

さて、昨晩・本日と神葬祭のご奉仕がありました。

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昨晩は通夜祭(つやさい)で再び蘇生(そせい)することを祈りつつ、かなわぬことを察して、故人の御霊(みたま)を霊璽(れいじ)に遷(うつ)し留める儀式、遷霊祭(せんれいさい)を執り行いました。

霊璽

霊璽

即ち、室内の灯火(ともしび)を落とした浄暗(じょうあん)の中、杉板を錦で覆った神依板(かみよりいた)を霊璽(れいじ)に翳(かざ)し、中啓(ちゅうけい)で二度ずつ三回打ち、その間に「オーオーオー」という警蹕(けいひつ)を唱えるというものです。

『古事記』には「和琴(わごん)を鳴らして神降ろし祭る」とありますが、琴の代わりに板をたたいて御霊をお招きするので琴板ともいわれます。

神葬祭には通常の祭祀とは異なる色目である「忌色」(いみじき:凶色)の装束を着用しますが、これは悲哀や沈痛を表現する黒味がかった色目で、鈍色(にびいろ)、橡色(つるばみいろ)、柑子色(こうじいろ)、萱草色(かんぞういろ)などです。

鈍色の浅沓

鈍色(にびいろ)の浅沓(あさぐつ)

神社本庁では『諸祭式要綱』の「神葬祭・祖霊祭之部」で、神葬祭における装束を定めています。

装束や浅沓などの皆具(かいぐ)は、平常の祭祀とははっきりと使い分け、適した色目でご奉仕することで悲哀を表し、遺族の思いにも沿った儀式をお仕えすることができると思います。

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