2015年12月19日 のアーカイブ

申の話

2015年12月19日 土曜日

来たる平成28年の干支(えと)は「丙申」(ひのえさる)です。

来年は閏日(うるうび:2月29日)のある閏年(うるうどし)ですが、太陽暦では4年に1回巡るため、申(さる)・子(ね)・辰(たつ)の年にあたります。

「丙」(「火の兄」の意)は十干(じゅっかん)の第3位、五行(ごぎょう)は火の陽。「あきらか」「つよい」意をもち、太陽に喩えられます。

「申」は動物の猿を充て、十二支の第9位、西南西の方位、時刻は午後4時及びその前後2時間(午後3時頃から午後5時頃)、季節では旧暦7月(孟秋)を指します。

「申」は稲妻(電光)を描いた象形文字で「電」の原字。電光が屈折して走る形で「伸びる」意を表します。

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さて、猿に因(ちな)んだ故事ことわざには次のようなものがあります。

「犬と猿」(非常に仲の悪いことのたとえ)、「意馬心猿」(いばしんえん:心が煩悩や欲望のために働いて抑えがたいことのたとえ)、「猿知恵」(浅はかな知恵)、「猿に絵馬」(取り合わせの良いもののたとえ)、「猿に烏帽子」(見かけだけで実の伴わないこと)、「猿の尻笑い」(自分自身の欠点を棚に上げて、人の欠点をあざわらう愚かさのたとえ)、「猿の水練、魚の木登り」(まったく見当違い、的外れ)、「猿の人真似」(人のすることをそっくりまねることをあざけって言うことば)、「猿も木から落ちる」(いかにすぐれた専門家でも、時には失敗することもあるというたとえ)

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「日枝、日吉、山王、八王子、樹下」など全国にはそれらを冠した神社が約3800社鎮座し、総本宮は旧官幣大社の日吉大社(滋賀県大津市坂本)です。

その「神使」(かみのつかい)として知られるのが「猿」で、「神猿」(まさる)として親しまれ、「魔が去る」「何事にも勝る」に通じ、方除・厄除などの御利益があるといいます。