予報通り、境内の桜が今日開花しました。

境内森の奥の桜が開花
神職が普段、お宮の境内などにいる時の姿は、白衣(はくい)・袴(はかま)ですが、おまつりのご奉仕をするときには、その上に必ず装束(しょうぞく)を身に付けます。また、頭には冠(かんむり)や烏帽子(えぼし)をかぶります。そして、手に持つのが笏(しゃく)です。

冠をかぶり斎服(さいふく)を身に付けた神職
笏は、唐の制度をならったもので、推古(すいこ)天皇の十二階の冠制から用いられたとされ、文武(もんむ)天皇の大宝令(たいほうりょう)からは国の制度として定められていたようです。

烏帽子をかぶり狩衣(かりぎぬ)を身に付けた神職
昔は儀式次第など、メモ(笏紙)を貼って用いていましたが、現在では威儀を整え心のひずみを正し、敬意を表すための具となりました。

延喜式(えんぎしき)では、五位以上は象牙(ぞうげ)でつくった牙笏(げしゃく)と木笏(もくしゃく)の併用、それ以下の身分は木笏だったようですが、現在では木笏を用います。
材質は、櫟(いちい)、椎(しい)、檜(ひのき)、杉、榊(さかき)、柊(ひいらぎ)、桜、樫(かし)などです。寸法は、一尺五寸・一尺三寸・一尺一寸くらいです。

11年前に植樹した櫟(165㎝)
笏に用いるのに最適である櫟(いちい)は、一位、石櫧(いちいがし)、アララギ、オンコとも言われ、30メートルに達するブナ科の常緑高木です。材は堅く強靱で、建築材のほか鉛筆材にも好適のようです。