相模国三ノ宮・比々多神社

狛犬

神社に参拝すると、参道の両脇などで “ にらみ ” をきかせているのが「狛犬」(こまいぬ)です。高麗犬・胡麻犬と書くこともあります。

神社の境内では、石造のものを目にすることが多いですが、社殿内部で見られる木彫や陶製、また金属製のものもあります。

比々多神社の狛犬

比々多神社の狛犬

比々多神社『天保社伝記』には、「何人ノ作ナルコトヲシラズ」とありますが、高さ1尺3寸余り、古を帯びていて、石造・金属製にはない木彫ならではの柔軟な味わいが深く、当時(7世紀頃)の彫刻技術を今に伝えます。頭の巻毛(まきげ)が簡素で、四股(しこ)は長め、現在の狛犬は頭が大きいのに比べ、身体の均整がよく調和して、逞(たくま)しさの中にも軽快さと品位が感じられます。関東最古の狛犬ともいわれています。

こま犬・あま犬(市重文指定)

こま犬・あま犬(市重文指定)

宮中では、御簾(みす)や几帳(きちょう)の裾(すそ)に、鎮子(ちんす=重し)として木彫の狛犬一対を置いていたそうです。

平安時代の『類聚雑要抄』(るいじゅうぞうようしょう)には、「左獅子 於色黄 口開 右胡麻犬 於色白 不開口在角」と記されています。つまり、左が獅子で口を開き、右が狛犬で口を閉じ角があるということです。この、左とは神さまから見てのことなので、向かって反対ということです。

狛犬の材質や形、表情などは時代や地域などにより様々です。

それでは、全国の神社で出会った狛犬の一部をご紹介いたします。

大崎八幡宮(宮城県)

大崎八幡宮(宮城県)

志波彦神社(宮城県)

塩竈神社(宮城県)

塩竈神社(宮城県)

志波彦神社(宮城県)

真山神社(秋田県)

真山神社(秋田県)

雄山神社・中宮(富山県)

雄山神社・中宮(富山県)

大洗磯前神社(茨城県)

大洗磯前神社(茨城県)

香取神宮(千葉県)

香取神宮(千葉県)

湯島天満宮(東京都)

湯島天満宮(東京都)

秋葉山本宮秋葉神社(静岡県)

秋葉山本宮秋葉神社(静岡県)

日吉大社(滋賀県)

日吉大社(滋賀県)

北野天満宮(京都府)

北野天満宮(京都府)

梅宮大社(京都府)

梅宮大社(京都府)

八坂神社(京都府)

八坂神社(京都府)

八重垣神社(島根県)

八重垣神社(島根県)

津峯神社(徳島県)

津峯神社(徳島県)

住吉神社(福岡県)

住吉神社(福岡県)

普天間宮(沖縄県)

普天間宮(沖縄県)

宮古神社(沖縄県)

宮古神社(沖縄県)

コメント / トラックバック2件

  1. miwa kazuhiko より:

    狛犬に興味のあるものです。三宮比々多神社の木製の狛犬にはぜひ会いたいと思っているのですが、なかなか行くことができず、このサイトをみて楽しんでいます。今年中にはぜひ行きたいと思っています。

    ところで全国の狛犬の写真を見せていただいて、志波彦神社と塩釜神社の狛犬が逆になっているのではないかと思っています。私もあまり詳しくないのですが、先日行ったばかりなので、ちょっと気になりました。

  2. 宮司 より:

    拙ブログをご笑覧下さりありがとうございます。
    当社の木彫り狛犬は本殿内に安置されております。
    従いまして、残念ながら今のところ、参拝者の皆様に御覧頂く機会がございません。
    因みに、レプリカを三之宮郷土博物館に展示しております。

    狛犬のキャプション表示に誤りがありました。
    御指摘下さり感謝致します。

コメントをどうぞ