昨夕の午後4時半、御用提灯(ごようちょうちん)に導かれ、宮司以下祭員、巫女(みこ)、実行委員会役員が社殿前特設舞台の祭場に参進しました。
境内に報鼓(ほうこ)の音が鳴り響く中、第30回まが玉祭奉告祭を執り行いました。
日中の強かった日差しが和らぐ境内で、篝火(かがりび)に御神火(ごしんか)が灯(とも)されました。
まが玉祭の象徴である勾玉(曲玉)を舞台中央に据え、いよいよ管絃と舞楽の夕べ(横浜雅楽会)の始まりです。
宮司舞(ぐうじまい)ともいわれる朝日舞(あさひまい)から始まり、管絃(かんげん)では太食調音取(たいしきちょうのねとり)、長慶子(ちょうげいし)、輪皷褌脱(りんここだつ)が演じられました。
事前準備の席は全て埋まり、観覧者の意識が舞台に集中しました。
市内では大規模な雅楽演奏会はないため、興味津々に見入る様子が窺えます。
続いて舞楽(ぶがく)です。
振舞(ふりまい)ともいわれる振鉾(えんぶ)は、舞台を清める意味合いをもつ儀式的な楽曲です。
緑色が基調の装束(しょうぞく)に冠(かんむり)をかぶる四人舞の敷手(しきて)がとても優雅に舞われました。
仕舞(しま)いは還城楽(げんじょうらく)です。
〝見蛇楽〟ともいわれ、蛇を見つけて喜ぶ様を早いテンポの楽曲で活発に舞うもので、赤い装束と面の姿に釘付けとなりました。
新緑の清々しい境内で繰り広げられた「管絃と舞楽の夕べ」、日常の生活をしばし忘れて幽玄な世界へと誘ってくれました。