相模国三ノ宮・比々多神社

荒ぶる神

この数日は欅(けやき)を中心に落ち葉が舞い、境内は掃いても掃いても葉っぱとの追いかけっこです。

こちらの心境を余所(よそ)に、七五三参りの子供たちは風に舞う落ち葉で遊び、いとも可笑(おか)しなものです。

当社では落ち葉は樹木の根元などに寝かせ、長い時間をかけて自然が作り出す天然の肥料、腐葉土(ふようど)にしています。

昔は見られた焚き火や焼き芋は季節の風情であり、「落葉焚」(おちばたき)は冬の季語、また童謡「たき火」は歌詞を見ているだけでも温かな気持ちになったものです。

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記紀神話において、国産み・神産みをした伊邪那岐命(いざなぎ:伊弉諾尊)・伊邪那美命(いざなみ:伊弉冉尊)ですが、火の神である迦具土神(かぐつち:軻遇突智)を産み、火傷をして亡くなってしまいます。

日本人は縄文の昔から、火に対する恐怖と恵みを感じながら、暮らしの中で上手に付き合い、様々な文化を生み出してきました。

「三宝荒神」(さんぽうこうじん)といわれる火産霊神(ほむすび)・奥津彦神(おきつひこ:奥津日子)・奥津姫神(おきつひめ:奥津比売)を竈(かまど)や台所にお祀(まつ)りして、〝荒ぶる神〟の神威(しんい)を恐れるとともに加護を祈るのです。

左が荒神さま

左が荒神さま

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